ニコ生試写会「THE COVE」を見終わって

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ニコ生試写会「THE COVE」を見終わって

俺なりの感想を書いていこうかと思います。やっぱ観てからなら大いにモノをいえますからね。言わなきゃ。
なお、例によってネタバレを含む内容なので、観た人やみてないけど観るつもりはないって人は続きを読んでください。なお、それでも俺は観てから判断した方がいいとは思ってますけどね。

(1)映画に込められた主題
一応、映画が目的とする主張は「海豚は野生が一番よい」ってことで、捕獲して水族館に売ることも殺して食肉とすることも許さない、すべてを解放したいというのが根幹でした。

根拠としては、前者は「知能の高い動物を見せ物にすることへの抵抗」を、後者は「肉に含有する水銀による健康被害」を挙げてました(水銀については後述)。
これらにプラスして、全面に感情のある生物/野生のすばらしさといったような感情論を筆頭として、両者を巧妙に織り交ぜて主張は進んでいきます。

(2)漁師あるいは太地への対応
申し訳ないけど、リック氏がOPSメンバーとつるんでないとか嘘八百述べていた聞き取りの部分、漁師と思しき方々と撮影合戦を繰り広げた部分、私有地および立ち入り禁止区域だと事前に知りながら岩などに偽装した監視カメラを設置した部分、どれをとっても擁護できない。

これらは彼らに言わせれば「事実を暴くためにやったことで恥じることはない」とでもいうのだろうが、それは片方の勝手な言い分であって、私有地や立ち入り禁止区域に入ったことそのものにより日本国の法を犯している。
このようなやり方は決して認められない。

(3)最終シーンの鮮血に染まった入り江
何頭の海豚を殺したらあれだけ入り江全体が真っ赤に染まるのかは分かりません。が、明らかに底が深い部分まで完全に真っ赤に染まる、というのはちょっと考えられないのですが。加工していないというのが本当だというのであれば問題はないし謝りますが、他のシーンでは(編集によって前後しているとしても)それほど血に染まってなかったことを踏まえると、少々センセーショナルな映像のために・・・と勘ぐってしまう。

(4)日本のIWCにおける主張や他国に対する働きかけについて
申し訳ないが、日本はIWCの決定事項に準拠した調査捕鯨や捕鯨再開したい意向であることからくる他国への働きかけについて、責められるところはないと判断しているので、この部分についてはまったく問題ないと考える。
一部、海豚は小型の鯨類として保護対象に入っていない件については同意しつつも、これはIWCが決定することでもあるのでそちらの動向を待つというのが筋だろうと思われる。

(5)食肉に含有されている水銀について
海洋生物に含有しているとされる水銀はどの種類に多くというか、どの種類にも含まれているし、海豚肉を食べる食べないにかかわらず海洋生物を食べることで体内に蓄積するわけで。含有率についても食べる頻度によって左右されるものを、さも危険だと危機感を煽りながら語っている点には正直疑問がのこる。
なにより、水俣病を持ち出してきたことに悪意を感じる。非常に。水俣病を持ち出すことによって政府は情報統制をしているのだと印象づけ、海豚肉についてもそれが言えるのだと言わんばかりに扇動している。

実際問題として、水俣病の事例を持ち出して単に「水銀」として語るのは少々おかしい。なぜならば両者は同じ水銀と呼ばれていても状態が異なる。状態が異なるということは、人体への影響もまた変わることを指す。
これをまったくほっぽらかして、危機感を無用に煽るだけの主張となっている点。また、一部報道で太地の方の水銀含有率が平均よりも高いとの報告がなされている。これが本当なら水俣病と同じで国が乗り出すほどの一大事なのであるが、そのような一切ないどころか健康被害を訴えている方がほとんどいないというのが現状ではないか。
それはじわじわとくるのだという意見もあるだろう。じゃーいつよ?そこがしっかりと指摘できないんじゃ害だ、辞めようと判断するには早計過ぎる。


そのほかにも最終シーンで体に液晶ディスプレイをくくりつけ、隠し撮りしたセンセーショナルな鮮血の入り江映像をIWC会場で見せつける行為。あれは活動家だなぁという印象をもちながらも、なんでそんなにすんなり入れるんだ?と少々セキュリティの甘さを露呈した警備に遺憾の意。

また、日本人へのインタビュー部分ですが、本当に全員知りません的なことを言ったのか疑問です。100%知りませんと語ってましたけど。俺は知ってたんですがね。

この映画、(1)~(5)で内容の要点をまとめたつもりなんですが、全編として垣間見えるのは「自分たちの主張を通すためには手段を問わない」というもので、見た感想と言えば、まぁ嫌悪感が先に来る感じですね。
もっとハッキリ言わせてもらえば「自分たちは正しい」という西洋文化の一番愚かな面を見せつけられたという印象です。

俺は基本的に食文化について他国や当事者以外がものをいう事には抵抗があります。どうしても絶滅危惧などで保護しなければならない場合はIWCのような世界的な会合で決めるもんだと思います。こうした手続きを無視した行動をすれば、相手の態度を硬化させると言うことにまったく気がついてない。

日本人は案外他国の食文化については寛容だし口を挟むことは滅多にないと思います。それは相手を尊重していることから来るものだし、口を挟む立場でないと考えます。
それはもっともなことだと俺も考えるし、たとえば日韓ワールドカップの頃に韓国が狗鍋を食べると世界的にセンセーショナルに報じられてなお、それを表だって責めなかったですもんね。
そういうこと。日本は「俺らは食わんけど自分たちの物差しで他国の食文化を貶めるようなことはしない」んです。

国内からも「やめればいいじゃん」という声があるのは事実。だが、これはあまりに安直に言い過ぎだ。生業とまで生活に溶け込んでいるものを、「はい、じゃー辞めましょう」なんつーことになる(できる)と思っている頭がどうかしている。そんなマウスクリックのようなことができるかよ。

よくある応酬に、知能がよい動物は食べてはいけないとか、牛豚は神からの授かり物で家畜だから食べてもいいとか、ありますね。
 そういった片方の一方的な解釈を相手に受け入れろということもしませんし、どんな国であってもそれは無用]
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